レーザーコピー機(複合機)の印刷で色が薄い!!かすれる場合の原因と対策をご紹介
レーザーコピー機(複合機)は、今やビジネスの現場では当たり前に重宝されている事務機器です。
高速かつ高品質な印字は契約書など、ビジネス文書の印刷や広告やプレゼン資料など大量の印刷にも適しています。
レーザーコピー機(複合機)は、米ゼロックス社で1970年代後半に製品化されました。
そこからHP社が廉価な製品が流通するようになり、次第に他のメーカーが市場参入するようになりました。
文字や画像を恒久的に残すことができる特徴からビジネスで用いられることが多いです。
インクジェットコピー機に比べて、トナー粉と呼ばれる物を用いることで、鮮明に文字を印字することができます。
その特徴から契約書などビジネス文書に用いることに適しています。
ただ、印刷が薄くなったり、かすれたりする原因はこのトナー粉によるものが多いです。
1分1秒を争うビジネスの現場で、コピー機(複合機)の不調は非常にストレスがかかります。
加えて、重要文書の印刷に用いるので、印字不良は死活問題となります。
今回の記事では、レーザーコピー機(複合機)の印刷が薄くなったり、かすれたりした場合の対策と原因を記載します。
これからコピー機(複合機)の導入を検討している方は是非、参考にしてみてください。
レーザーコピー機の印刷の仕組み
まずはレーザーコピー機(複合機)とはどういう物なのかをみていきましょう。
レーザーコピー機(複合機)は、レーザー光線を円筒状のドラムと呼ばれる部品に透過し続けることで、高品質なテキストやグラフィックを作ることが可能です。
⇒帯電(ドラム上にトナー粉を載せていく過程で静電気を帯させます。)
⇒露光(ドラム表面にレーザーやLEDを照射することで、データの逆像を作ります。)
⇒現像(静電気が弱まった部分にトナー粉が移動して付着し、ドラム上に逆像を作ります。)
⇒転写(ドラムに付着した逆像を、用紙が通過するときに、用紙の裏側から静電気を流すことで、トナー粉を用紙に正像で写します。)
⇒定着(用紙のトナー粉を定着させるため、加圧し、熱を加えます。)
⇒清掃(ドラム上のトナー粉は、ワイパーブレードなどで静電気を除去することで、回収されます。回収されたトナー粉は廃トナーボックスなどに収容されます。)
レーザーコピー機は、この一連のプロセスで印刷が行われます。
レーザーコピー機は、インクジェットコピー機のように液体インクを使用していません。
トナー粉と呼ばれる粉末状のものを用いています。
レーザー光線をドラムに透過することで帯電させ、そこにトナー粉が付着します。
その後、熱を加えて圧着することで印刷をしています。
インクジェットコピー機との大きな違いは、印刷プロセスの中で、熱が発生する点です。
トナー粉を定着させるのに高温するため、レーザーコピー機の方が消費電力は大きくなります。
他にレーザーコピー機(複合機)にはモノクロとカラーの2種類があります。
黒のみのトナーがモノクロで、CMYKのトナーを使用するのがカラーです。
カラーには2つの印刷方式があります。タンデム式とロータリー式です。
タンデム式は、4本のトナーカートリッジと色のドラムを使用します。
ドラムごとに同時に色をのせられるため、ロータリー式よりも印刷時間が短くて済みます。
しかし、4本のドラムを使用するので消耗品コストが高くなります。
ロータリー式は、4本のトナーカートリッジと、1本のドラムを使用します。
1本のドラムに1色ずつ色をのせていくため、タンデム式より印刷時間が長くなります。
ドラムは1本しか使用しないので、消耗品コストが抑えられます。
下記の記事ではレーザーコピー機とインクジェットコピー機の違いについて解説しているますので、気になる方は参考にしてみてください。
⇒コピー機のインクジェットとレーザープリンターは何が違うの?メリットとデメリットを解説
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レーザーコピー機(複合機)の消耗品とは
レーザーコピー機(複合機)の消耗品は以下の通りです。
トナーカートリッジ
トナー粉が入ったカートリッジです。
価格相場は純正で約3〜7万。互換品で1万4千〜4万程度です。
ドラム
ドラムも消耗品です。タンデム式の場合は1本、ロータリー式の場合は4本となります。
価格相場は分離型と一体型で差はありますが、分離型で5000円前後、一体型で3万円前後となります。
廃トナーボトル
印刷プロセスの清掃時に出た、トナー粉の収容ボトルです。
価格相場は3000円前後です。
専用用紙
レーザーコピー機には専用用紙があります。
メーカー純正のものもあります。インクジェットコピー機専用の用紙では、コート層を熱で壊してしまうため、それぞれの専用用紙を使用するようにしましょう。
選ぶ時は、非加工紙を選ぶことと、用紙の厚さに注意することと、片面、両面印刷を考えることが必要です。
⇒業務用コピー機は何故レーザー方式が多いのか?インクジェットは業務用に使えない?
レーザーコピー機(複合機)の特徴
続いてはレーザーコピー機(複合機)の特徴について、インクジェットと比較しながら解説させていただきます。
印字スピードが速い
レーザーコピー機はインクジェットコピー機と比べて、印字スピードが早いです。
発売されているコピー機は様々ありますが、モノクロ印刷の場合はインクジェットコピー機は約10枚/分に対し、レーザーコピー機は約27枚/分となります。
インクジェットコピー機にくらべて約3倍速く印刷することができます。
大量の文書を印刷する際は、レーザーコピー機を用いる方が効率的です。
⇒印刷速度でコピー機(複合機)を選んでますか!?高速なコピー機ほど高額になる理由!
湿気に強く、劣化しにくい
インクジェットコピー機は液体インクをふきかけているので水分に弱く、乾燥後でも水に濡れるとにじんでしまいます。
また、印刷をしていない期間が続くと、インクが目詰まりを起こしてしまい、印刷のかすれの原因になります。
レーザーコピー機はインクではなく、トナーを用いて印刷するので、耐光性が高く、印字が劣化しにくいという特徴があります。
また、目詰まりするという事もありません。
初期費用が高い
レーザーコピー機は、インクジェットコピー機に比べて本体価格が高い傾向にあります。
併せて、本体以外の部品の単価も高いです。
しかし、耐久性が高く、トナーカートリッジ1本あたりの印刷可能枚数が多いです。
そのため、本体価格は高いですが、印刷コストが安く済むため、日常的に多く印刷をするビジネス利用に向いています。
⇒コピー機(複合機)を導入する際に掛かる費用とは?初期費用とランニング費用を解説!
起動に時間がかかる
レーザーコピー機は、フューザーと呼ばれる部分があり、印字を定着させるために高温にする必要があるため、温めるのに時間がかかります。
一方、インクジェットコピー機はすぐに印刷が可能となります。
少ない枚数で、すぐに印刷したい場合は、インクジェットコピー機の方が適しています。
消費電力が高い
レーザーコピー機は、起動に時間がかかるのと同様に、フューザーを高温にする必要があるため、一般的な暖房器具と同じくらいに電力を消費します。
電気代が高くなる傾向にあります。
⇒業務用コピー機(複合機)の消費電力や電気代はどれくらい?節電方法もご紹介!
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印刷が薄い・かすれる時の原因
レーザーコピー機の仕組みや特徴は理解いただけましたでしょうか?
ここから本題に入らせていただきます。
印刷物の色味が薄い場合や、かすれる原因に関して解説させていただきます。
トナーカートリッジの問題
印刷時の不良で最も多い原因がトナーカートリッジの不良です。
トナーカートリッジにはトナーという粉状の物質が入っております。
このトナーは使用していないと固まってしまったり、カートリッジ内のトナーが偏ってしまう場合があります。
このトナーの原因で印刷不良が発生する事が多々あります。
また、コストを抑える為に純正品ではなく、リサイクル品や互換品を利用している方もいると思います。
コピー機メーカーはこの消耗品の金額が高いです。
コスト抑える為に純正品ではないトナーカートリッジを利用するのも理解できますが、純正品と比較すると故障頻度は上がってしまいます。
リサイクル品、互換品も様々な種類がありますので、理解をしたうえで利用するようにしましょう。
下記の記事では詳しく紹介してますので気になる方は参考にしてみてください。
⇒レーザーコピー機(複合機)のリサイクルトナーは大丈夫?純正品との違いとは何か?
ドラム、スキャン台、LEDヘッドの汚れ
レーザーコピー機(複合機)は精密機械になり、様々な備品が搭載されております。
先ほどからお伝えしている通り、レーザーコピー機は粉状のトナーカートリッジを用いて印刷をします。
このトナーがコピー機内部に付着して汚れる事によって印刷不良を起こす事があります。
特に汚れる箇所はドラム、スキャン台、LEDヘッドになります。
清掃方法に関しては各メーカーでも紹介しているので確認するようにしましょう。
また、高温になっている箇所もあるので火傷には注意しましょう。
⇒コピー機(複合機)を長持ちさせる為に!!セルフメンテナンスの方法を解説
レーザーコピー機の印刷が薄い・かすれる時の対策
続いてはレーザーコピー機(複合機)の印刷で、色が薄い・かすれる等、印刷不良時の対策を解説させていただきます。
印刷不良に関しては様々な原因が考えられます。
でそれぞれの対策を見ていきましょう。
トナーカートリッジの使用期限を確認する
トナーカートリッジの使用期限は概ね1年とされています。
期限が切れたまま使用していると当然印刷不良が発生するので、期限が切れたものは交換するようにしましょう。
併せて、使用していない期間が一週間でと空くとトナーカートリッジの持ちが悪くなるため、適度に使用することを心がけましょう。
トナーはどれでもいいわけではなく、機種によって対応するものが異なります。
商品名が似ているものが多いので、不安がある場合は購入元へ問い合わせましょう。
⇒レーザーコピー機(複合機)のリサイクルトナーは大丈夫?純正品との違いとは何か?
トナーカートリッジを振る
トナーカートリッジはトナー粉が偏っている場合が多いです。
まずはトナーカートリッジを取り出して、カートリッジを平行にもち、上下に5、6回振ってから、コピー機(複合機)に戻すようにしましょう。
トナー粉が均一になり、通常通り印刷できるようになります。
また、トナーカートリッジの交換時にも同じように振ってから交換するようにしましょう。
⇒コピー機(レーザータイプ)のトナー種類やコストパフォーマンスについて
ドラムの清掃
トナー粉を用いているため、ドラムに汚れがつく場合があります。
この汚れのために印刷が薄くなったり、かすれる原因となります。
ドラムを清掃するには、まずコピー機(複合機)からドラムを取り出します。
そのとき、取り出す先に新聞紙などを引いておくと汚れなくて済みます。
綿棒など柔らかな素材を用いて、丁寧に汚れを取ります。
ドラムは熱を持っている箇所もあるので作業する時は気を付けるようにしましょう。
ドラムの交換
ドラムが劣化したことによる原因も考えられます。
その場合は、新しいものと交換をするようにしましょう。
保守契約を締結している場合は、まずは保守会社に問合せする事をおすすめします。
保守担当者の指示に従い作業をするようにしましょう。
⇒コピー機(複合機)導入時の保守契約の内容を把握していますか?3つの保守契約を解説
スキャン台やLEDヘッドの清掃
用紙を置くスキャン台やLEDランプが汚れていることが原因の場合もあります。
こちらもそれぞれ、タオルなど柔らかい素材もので中性洗剤を含ませて、汚れを拭き取るようにしましょう。
このスキャン台の清掃で改善する事は良くあります。
下記の記事でも紹介しておりますので参考にしてみてください。
⇒コピー用紙に線が入る原因はアレだった!線が入る原因と対処法を解説
用紙を交換する
レーザーコピー機(複合機)はトナー粉を付着させて印刷するため、用紙が水分を含んで湿気っているとうまく印刷ができません。
そのような場合は、新しい用紙に交換しましょう。
また、用紙カセットに入れている印刷用紙をパラパラと捌いて、静電気をおさえる事もできます。
冬の時期など、暖房いれた寒暖差で湿気や結露なども起こる可能性があるので注意してみましょう。
⇒寒くなるとコピー機(複合機)が故障する原因は「〇〇」だった!!
印刷濃度を調整する
印刷濃度設定が「薄い」になっている場合があります。
印刷の濃度や画質は自由に設定する事が可能です。
画面メニューから印刷濃度を選択し、「濃い」に設定を変更しましょう。
補足ですが、印刷濃度が「薄い」場合はトナーの消費量を軽減できます、
必要に応じて設定するようにしましょう。
⇒コピー機(複合機)の印刷画質を上げる方法とは!?画質調整でコスト削減を実現
ハードに障害がある場合はメーカーへ
上記の処置を行なってもなお、解決しない場合はハード面に障害がある可能性があります。
その場合は、ご自身で改善する事ができません。
メーカ問い合わせをし、修理をお願いしましょう。
⇒コピー機のリース契約=保守メンテナンス無料ではない!?導入するための2つの契約をご紹介
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レーザーコピー機の歴史
ちょっと話は変わりますが、レーザーコピー機の歴史もみていきましょう。
レーザーコピー機は、ゼロックスが創設したパロアルト研究所から始まります。
1976年に商用プリンターが製造されます。
大型のものではあったが、請求書や契約書など大量に印刷をすること活用されました。
1970年代には日本語化が進んだことによって、各社(日立、富士通、NECなど)が相次いでレーザーコピー機を製造しました。
1980年代は大型コンピュータ全盛の時代だったので、高速処理に対応できる高速プリンターが必要とされました。そのときには毎分100ページ以上の印刷が可能となりました。
パソコン用のプリンターとして牽引したのはCANONでした。
LBP4000を製造し、HP社が最大のシェアを持っていましたが、そのエンジン部分を担っていました。
モノクロが主流でしたが、2000年代になるとカラー化が進みました。
レーザーコピー機は価格が高いことから商用として利用されていました。
その後、パソコンの小型化にともなって、超高速プリンターと並行して、低価格の小型レーザープリンターが普及するようになりました。
Canon
キャノン株式会社。本社は東京都大田区。
映像機器、プリンターなどの事務機器、ディスプレイ装置などを製造。
主な製品は、LBP961Ci、LBP863Ciなど。
⇒キャノンの人気機種インクジェット複合機GX6030をご紹介!!
EPSON
セイコーエプソン株式会社。
本社は長野県諏訪市。
情報機器関連、精密機器などを製造。
主な製品は、PXーM887F、PXーM730Fなど。
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RICOH
株式会社リコー。
本社は東京都大田区。
事務機器、光学機器などを製造。
主な製品は、C841a1シリーズ、C841シリーズなど。
FUJITSU
富士通株式会社。
本社は東京都港区。
総合エレクトロニクスメーカー。
総合ITベンダー。
主な製品は、Printia LASER XL-9440E、Printia Laser XL-4280など。
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OKI
沖電気工業株式会社。
本社は東京都港区。
通信機器、現金自動預け払い機などの情報機器を製造。
主な製品は、C3530MFP、C5510MFPなど。
⇒OKI(沖電気)カラーLED複合機『MC573dnw』の特徴を解説
brother
ブラザー工業株式会社。
本社は愛知県名古屋市。
プリンター、ファクシミリ、ミシンなどを製造。
主な製品は、MFC-L5710DW、HL-L8360CDWなど。
⇒BROTHERの複合機にはどんな強みがある?3つの特徴を紹介
まとめ
今回の記事ではレーザーコピー機(複合機)の印刷不良に関して解説させていただきました。
また、レーザーコピー機とはそもそもどういう事務機器なのかも触れさせていただきました。
レーザーコピー機は、インクジェットコピー機に比べ、印刷スピードが速く、大量の印刷に適しているため、ビジネスシーンで多く利用されています。
しかし、レーザーコピー機はインクジェットコピー機と比べて本体価格が高価になる傾向があります。
企業の働き方改革に合わせて、生産性の向上が必要に迫られる中、レーザーコピー機の利便性はその一躍を担うことになります。
その中で、印刷が薄くなったり、かすれたりすることは死活問題となります。
レーザーコピー機の印刷不良の主な原因はトナーによるものがほとんどです。
まずはトナーカートリッジを疑いましょう。
その後、用紙の状態や印刷濃度の設定などを事前に確認してくといいでしょう。
他に原因が見当たらない場合は、専門業者に問い合わせるようにしましょう。
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