スキャン機能の「CIS方式」と「CCD方式」の違いはとは?スキャンの活用方法も解説していきます!
昨今インボイス制度やペーパーレスが推奨される時代になってきています。
その中で注目を集めだしたのが、コピー機のスキャン機能です。
皆さんが何気なく使っているスキャン機能には2種類の方式があることを知っていましたか?
本記事では「CIS方式」と「CCD方式」についてメリットやデメリットもふまえて徹底解説していきたいと思います。
これからコピー機の導入を検討されている方は是非参考にしてみて下さい。
コピー機のスキャンとは?
皆さんはコピー機のスキャン機能を利用した経験はありますでしょうか?
スキャン機能ではコピー機内のハードディスクに原稿の画像データを読み込ませ、指定先(USB、PC、フォルダ)にデータとして保存することができます。
また、最近のコピー機はクラウドに連携することができ、Googleドライブなどに直接アップロードすることもできます。
スキャンは画像処理方法の一つのことを指します。
光学センサーなどを利用して原稿表面の色を読み取ります。
ちなみにこの画像読み取り装置のことを「スキャナ」や「イメージスキャナ」と呼びます。
また、一般的な機種であれば、大体毎秒数十回単位のスキャン動作を繰り返し行っていると言われています。
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CIS方式とCCD方式について
コピー機のスキャン機能には、「CSI方式」と「CCD方式」の2種類があります。
それぞれどういったものなのか詳しく解説をしていきます。
CIS方式について
CIS方式は「Contact Image Sensor」の略称で別名、密着センサー方式や密着光学方式と呼ばれています。
原稿を読み取る仕組みとしては、原稿台ガラスの下からレッド・グリーン・ブルーの小さなLEDの光を原稿に当てます。
そして、原稿に当たった光が反射した結果をフォトセンサーやCISセンサーを使って読み取り、データに変換しています。
また、光源のLEDとレンズとセンサーが一体化できるため、コンパクトサイズの設計が可能です。
そのため、プリンターや家庭用の複合機に搭載されるのは、「CIS方式」が多くなっています。
CCD方式について
CCD方式は「Charge Coupled Device」の略称で別名、縮小光学方式とも呼ばれています。
原稿を読み取る仕組みとしては、強い白色のLED(発光ダイオード)とレンズを使い原稿に当てた光の反射光をミラーに当てコントロールと集約を行います。
そして、複数のレンズを経由して読み取った情報をデータ化します。
CCD方式の場合は読取り装置に一定のサイズ幅が必要になりますが、読み取る際の時間が早く、少しの隙間が生じている原稿でも綺麗に読み取る事が可能です。
主に学校や職場で使われている業務用のコピー機は「CCD方式」が多くなっています。
CIS方式のメリット・デメリット
こちらではCIS方式のメリットとデメリットについて説明をしていきます。
基本的に小型機に搭載されていることが多いCIS方式ですが、デメリットもあります。
メリットとデメリットを理解して導入するコピー機を決めましょう。
メリット
小型で軽量に製造されているため、場所をとらずにスキャンができ、小型コピー機などにも搭載ができるのが特徴です。
比較的良心的な金額で販売されているため、コストパフォーマンスが高く、少ない電力でスキャンが可能です。
デメリット
レッド・グリーン・ブルーの3色のLEDを交互に当てるため、読み取り速度に時間がかかります。
センサーで細かい柄などを読み取る際に、本来の描写とは大きく異なる「モアレ」が発生しやすいです。
モアレとは、規則正しく並べられた網点同士が干渉しあうことで発生する縞模様のことです。
網点は本来一定間隔で整列していますが、角度のずれなどによってお互いが干渉したときにこうした現象が起こります。
ピントが合う範囲が狭いため、少し立体的な原稿や厚みのある本では影が出き、読み取りにくくなる。
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CCD方式のメリット・デメリット
こちらではCCD方式のメリットとデメリットについて説明をしていきます。
CIS方式と比べて頂き、どちらがご自身の使用用途に適しているかご確認下さい。
メリット
高画質・高精細な読み取りができ、読み取り速度が速いのが最大のメリットです。
また、センサーで細かい柄や網掛けなどの読み取りでも、「モアレ」が発生しにくいです。
白色のLEDだけを原稿に当てるため、カラーの原稿を白黒で読み取りたい場合でもすべての色が読み取ることができます。
ピントが合う範囲が広いため、少し立体的な原稿や厚みのある本でもある程度の読み取りが可能です。
デメリット
複雑な構造のため、大型複合機に搭載されていることが多く、設置スペースの確保が必要になります。
CIS方式と比べると消費電力が多く、大型コピー機になるため価格が高価になります。
スキャンの活用方法
「CIS方式」と「CCD方式」の特徴やそれぞれにメリット・デメリットを知っていただいたところで、
コピー機のスキャン機能の活用方法や豆知識をご紹介します。
PDF以外でもデータ化が可能
皆さんが普段使用しているスキャン方法では、原稿を読み取りデータ化したときは「PDFファイル」に変換されて保存されていると思います。
しかし、現在のコピー機はPDFファイルと「JPEG」ファイルに変換が可能となっております。
設定方法は機種によって違いますが、スキャンから宛先を選び、送信前の画面でファイル形式を変更します。
そうするとファイル形式を変更できるるかと思いますので是非使ってみてください。
⇛コピー機(複合機)でスキャンしたデータのファイル形式は何がおすすめ?
サイズが違う原稿もまとめてスキャン可能
A4やA3など用紙サイズが異なった原稿でもまとめてスキャンすることができます。
コピー機で自動的にサイズ調整をされるので非常に便利です。
スキャンは基本無料
コピー機をリース契約・購入した場合、印刷した枚数分を月々支払う「カウンター料金」が発生します。
しかし、スキャンは何度利用しても0円ということが多いです。
これからペーパーレス化が進むにつれ、スキャンの使用率は格段に上昇すると見込まれています。
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電子帳簿保存法に向けたスキャン活用方法
電子帳簿保存法とは、帳簿や書類を電子データとして保存することを認める法律です。
1998年に制定され、その後改正を重ね、ペーパーレス化やデジタル化を促進するために、近年さらに要件が緩和されました。
電子帳簿保存法を適切に運用することで、企業のデジタル化と業務効率化が進みます。
ただ、電子帳簿保存法を活用をするためには、適切なシステムの導入が必要です。
電子帳簿保存法によってどういったメリットがあるのか紹介します。
また、国税庁のサイトに詳細が記載されておりますので、是非ご確認下さい。
コピー等の業務負荷を軽減する
以前までは1枚の契約書を複数の部署で共有する場合、契約書を複数枚コピーする必要がありました。
しかし契、約書をスキャンしデータ化することによって、共有フォルダやメールを使って簡単に共有することが可能になります。
生産性の向上
データで書類を保存することによって、共有フォルダやクラウドを通じて社内全体で閲覧可能にすることが可能になります。
また、印刷する手間が省けて、契約書などの書類を探す時間もなくなり、生産性の向上も見込めます。
経理業務の効率化ができる
スキャナ保存をする場合、保存要件に「日付や金額その他で検索できること」という要件があります。
この検索機能を活用することによって、仕訳伝票など経理業務が効率化されます。
⇛コピー機(複合機)でも対応できる!?改正後の電子帳簿保存法の対策方法を解説!
環境にやさしい
コピーをする枚数を減らすことによって、紙の使用量やトナーの使用量を大幅に減らすことができます。
それに伴って資源の節約ができ、結果的に二酸化炭素排出を減らすことができます。
テレワークにもスムーズに対応できる
共有フォルダにデータとして保存することによって、外出先でも資料が見ることができ、スムーズにテレワークに対応できます。
スキャンデータの保存先の設定手順
スキャンデータの保存先の設定手順を詳しく解説します。
基本的にはコピー時を設置したタイミングで設定してもらえます。
ただ、コピー機を移設させた場合など新しく設定が必要になります。
是非参考にしてみて下さい。
保存するための共有フォルダを作成方法
➀デスクトップ上で右クリック
➁「新規作成」→「フォルダ」を作成
➂フォルダ名をつける。※「scan」「share」などのわかりやすい名前にするとよいでしょう。
➃フォルダ上で右クリックして「プロパティ」を選択
➄ポップアップが表示されます。ポップアップ上の「共有」タブをクリック
➅「詳細な共有」をクリック
➆「このフォルダを共有する」にチェックを入れ、下の「アクセス許可」をクリック
➇アクセス許可の欄にある項目で「許可・拒否」のチェックを入れる
➈設定が完了したら、「適用」をクリックしたあとに「OK」をクリック
➉「閉じる」をクリックして終了2.作成した共有フォルダ等の情報を確認する
PCの「IPアドレス」の確認方法
➀Windowsキー+Rを同時に押す
➁ファイル名を指定して実行のポップアップが表示されるので、「cmd」を入力してOKを押す
➂コマンドプロンプト画面で「Users~」のところに「ipconfig」と入力する
➃複数の数字や記号が出ますが、「IPv4アドレス」のところがパソコンのIPアドレスになります。
➄メモしたら「×」マークを押して閉じる
PCの「ユーザー名」の確認方法
➀Windowsキー+Rを同時に押す。
➁ファイル名を指定して実行のポップアップが表示されるので、「cmd」を入力してOKを押す。
➂コマンドプロンプト画面で「Users~」のところに「net config workstation」と入力する。
➃ユーザー名を確認する。
➄メモしたら「×」マークを押して閉じる。
情報を確認したら忘れないようにメモしておきましょう。
コピー機に作成した共有フォルダ(宛先)を登録する。
これまでの作業が完了したら、最後にコピー機に作成した共有フォルダ(宛先)を登録しましょう。
登録の仕方はメーカーによって異なりますが、基本的には設定→宛先編集→新規作成から作成できます。
また、パソコン側からもスキャンの宛先登録は可能です。
インターネットにて接続しているコピー機のIPアドレスを入力し、検索すると接続しているコピー機のコマンドセンターに入ることができ、そこからも宛先登録することができます。
スキャンデータが送信されない場合
設定してもスキャンデータが送信されない場合は、以下の項目を確認してみてください。
1. コピー機とパソコンの再起動
➥設定を変更した場合は再起動すると接続する場合があります。
2.パソコンのネットワークが「パブリック」になっていないか
➥「パブリック」になっている場合は、「プライベート」に変更
3. SMB1.0/CIFSが「オフ」になっている
➥「コントロールパネル」の「プログラム」をクリックして「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックし「SMB1.0/CIFS」にチェックを入れる。
4.複合機に登録されている宛先情報が合っているか
➥再度、確認した情報をもとに見直してみましょう。
5.セキュリティが邪魔をしていないか
➥「ESET」などのウイルス対策ソフトが影響していないか設定を確認してみましょう。
まとめ
コピー機のスキャン技術には「CIS方式」と「CCD方式」という2つの異なる技術が存在します。
CIS方式は小型でコストパフォーマンスが高く、主に家庭用や小規模オフィス向けの機器に採用されていますが、読み取り速度が遅く、モアレが発生しやすいなどのデメリットがあります。
一方、CCD方式は高速で高精度な読み取りが可能で、業務用の大型コピー機に多く見られますが、コストやサイズが大きいというデメリットがあります。
近年では、PDFだけでなくJPEG形式でのデータ化や、さまざまな原稿を一度にスキャンできる機能など、スキャン技術は日々進化しています。
また、電子帳簿保存法やペーパーレス化の推進に伴い、スキャンの重要性はますます高まっています。
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