コピー機の法定耐用年数と減価償却について解説!経費計上はできるのか?
ペーパレス時代に入り、印刷枚数は減少傾向にありますが、仕事をするうえでコピー機(複合機)は必要不可欠な事務機器になります。
また、コピー機の他にパソコンやビジネスフォンなど揃える必要がある事務機器は様々あります。
コピー機(複合機)やパソコンなどのOA機器は予め法律で耐用年数が定められているのをご存じでしょうか?
『耐用年数って国が定めるのではなくて、それぞれの製造元が決めるんじゃないの?』
『じゃあ、耐用年数を迎えたコピー機は使えなくなって廃棄するしかないの?』
といったお声をよく耳にします。
ここではコピー機(複合機)の耐用年数について基本的なところから説明をさせていただきます。
また、減価償却の計算や減価償却資産についてもふれていきたいと思います。
是非、参考にしていただければと思います。
コピー機の法定耐用年数と減価償却について
まずはコピー機(複合機)の法定耐用年数に関して解説させていただきます。
法定耐用年数とは対象資産(コピー機)を使用できる「期間」のことを指します。
コピー機(複合機)を使用すればするほど、劣化や損傷するのでその分、価値も下がります。
コピー機を使い続ければ、いずれは最初に購入した価値が無くなる物だと考えます。
コピー機(複合機)の購入日から価値が無くなるまでの期間を法定耐用年数として、毎年少しずつ経費として処理をしていきます。これが減価償却と言われます。
耐用年数って壊れずに使える年数?だとしたらコピー機やパソコンなどのOA機器ごとに異なるだろうし、使ってみないと実際はわからないのでは…と思う方もいるかもしれません。
国税庁のホームページにあるように、税法で固定資産の種類や構造・利用方法などにより、耐用年数が規定されています。
例えば放送用設備であれば6年、タイムレコーダーなら5年というように、それぞれ使用可能な年数が定められています。
コピー機(複合機)の法定対応年数は5年と決められており、5年の減価償却資産となります。
なので、一括で経費計上をするのではなく、5年間かけて減価償却費として経費計上していきます。
コピー機(複合機)の法定耐用年数は5年ですが、例えばパソコンは4年になります。
コピー機とパソコンの金額が同じでも、耐用年数が長ければ毎年の減価償却費はその分少なくなり、耐用年数が短ければ減価償却費は多くなるということです。
■お安い大型レンタルをお考えの方はこちら(業界でもびっくりな価格表)
■リースをお考えの方はこちら(メーカーに我々が直接値引き交渉ができるので安い)
■小型機のレンタルをお考えの方はこちら(1週間無料お試し)
コピー機の減価償却は必ずしなければいけないの?
コピー機の法定耐用年数と減価償却について理解していただいかと思いますが、そもそもコピー機(複合機)は必ず5年間の減価償却をしなくてはいけないのでしょうか?
結論からつたえると必ず減価償却する必要はありません。
ただし、いくつかの条件がありますので解説させていただきます。
コピー機の購入金額
コピー機(複合機)の購入金額がポイントになります。
コピー機の購入金額が10万円以上の場合は減価償却する必要があります。
反対に10万円未満の場合は原価償却する必要はなく、一括で経費計上ができます。
新品の大型業務用コピー機(複合機)は10万未満で購入する事は難しいかもしれないですが、中古機であれば10万円未満のコピー機もあるかも知れません。
また小型の卓上コピー機であれば10万円未満で手に入ると思います。
大型に中古コピー機を購入するにも、この10万円を頭に入れて購入するようにしましょう。
コピー機の所有権
減価償却する場合はコピー機(複合機)を購入した場合に限ります。
購入した場合の所有権はもちろん購入者になるので、10万円以上するコピー機の場合は5年かけて減価償却をして経費計上をしていきます。
反対に所有権がない場合は減価償却する必要はありません。
大型の業務用コピー機(複合機)は高額になるので基本的に一括購入するのではなく、リース契約をして導入します。
リース契約で導入した場合のコピー機(複合機)の所有権はリース会社になります。
なので、減価償却費でなく、毎月のリース料金と保守料金を経費として計上する事ができます。
また、リース契約ではなく、レンタル契約の場合も同じです。
レンタル契約の場合のコピー機の所有権はレンタル会社にあるので毎月のレンタル料金を経費計上する事ができます。
5年の耐用年数を超えるとコピー機は使えなくなる?
コピー機(複合機)の法定耐用年数は5年と説明させていただきましたが、ここで「5年経過したらコピー機はどうなるの?」と考え方もいるかもしれません。
法定耐用年数は法で定められた耐用年数であって、コピー機(複合機)を新しく購入して5年経過したからといって利用できなくなるというわけではありません。
コピー機は使用頻度によってばらつきはありますが、10年以上の長期間使用している場合もあります。
ただし、コピー機(複合機)やパソコンのメーカーが『部品を保有する』年数をメーカー自身で決めており、例えばコピー機では7年~10年で部品供給を停止しているメーカーが多いです。
逆にコピー機(複合機)が仮に5年以内に故障してしまった場合は減価償却による減税ができないということになるので会社の損失になる可能性もあります。
メンテナンスをしっかりやってそのようなことが起きらない様にコピー機(複合機)を大切に使いましょう。
■お安い大型レンタルをお考えの方はこちら(業界でもびっくりな価格表)
■リースをお考えの方はこちら(メーカーに我々が直接値引き交渉ができるので安い)
■小型機のレンタルをお考えの方はこちら(1週間無料お試し)
減価償却資産の基礎的な知識
先ほど解説したようにコピー機(複合機)をリース契約やレンタル契約して利用している場合は所有者ではありません。
所有者ではないのでコピー機(複合機)は資産の扱いにならないため固定資産税がかかりません。
10万円以上のコピー機(複合機)を一括購入した場合は資産として扱われるため税法で固定資産税が課されます。
また、コピー機(複合機)などのOA機器は経年劣化するため、毎年その価値が下がっていきます。
コピー機(複合機)などのような毎年価値が下がる財産を【減価償却財】と呼ばれます。
減価償却財はその時点ごとの価値に基づいて償却率というものが存在し、さらに法定耐用年数を利用して減価償却を計算する仕組みになります。
減価償却の計算方法について
コピー機(複合機)などの「減価償却財」は一括購入の費用を『法定耐用年数』で分割して計上する考えになります。
コピー機を購入した場合の例をもとに説明します。
例えばコピー機(複合機)を購入した金額が80万円だとします。
コピー機の耐用年数は5年間なのでその場合は、購入した初年に80万円を計上するのではなく、80万円を耐用年数(=5年間)に分割して、毎年16万円ずつ計上するといった考えになります。
以上のことから、80万のコピー機(複合機)は2年後には32万円(16万円x2)が支払い済みとなるため、48万円(=80万円-32万円)の価値になると計算されます。
といったように減価償却とは、購入した初年に全額を経費にするのではなく、法定耐用年数を基に分割計上するといった考えになります。
でなければ初年は大幅赤字で2年目以降は黒字になるといったように、損益を適切に計算することができなくなります。
減価償却率の計算方法について
減価償却率の計算方法は、定額法と定率法の2つがあります。
定額法と定率法の2つを解説させていただきます。
減価償却率の定額法
定額法の計算式は次のようになります。
〈取得価額×定額法償却率〉
毎年ごとに同額を償却する計算式です。
取得価格は購入した本体の価格のほかに購入時に発生した運賃や取得時にかかった手数料も含まれます。
コピー機(複合機)の耐用年数は5年で定額法償却率は「0.2」になるので、例えばコピー機を50万円で購入した場合は
〈取得価格50万円×定額法償却率0.2=10万円〉
となり、10万円を毎年償却していきます。
減価償却率の定率法
定率法とは毎年の残存価格を一定の割合で減価償却する方法です。
初年度の償却額がもっとも大きく、年を経るごとに減少していきます。
定率法は次の計算式で求められます。
〈未償却残高×定率法の償却率〉
耐用年数5年のものは、定率法での償却率は0.5と定められているので定率法の計算式を利用して、80万円のコピー機(複合機)を購入した場合の償却費は以下のようになります。
1年目:(購入額80万円-0円)×0.5=40万円。
2年目:(購入額80万円-減価償却累計額40万円)×0.5=20万円。
3年目:(購入額40万円-20万円)×0.5=10万円
というように、1年目が一番金額が高くなり、年を経るごとに償却費が少なくなります。
上記の償却費が「償却保証額」を下回った場合、その年度から耐用年数の終了年までは『定率法の償却率』を「改定償却率」に変えて計算する決まりがあります。
また、定率法の償却率で計上した償却額が『償却保証額』に満たなくなったら、その年以降の償却額は毎年同じ金額を償却することになります。
■お安い大型レンタルをお考えの方はこちら(業界でもびっくりな価格表)
■リースをお考えの方はこちら(メーカーに我々が直接値引き交渉ができるので安い)
■小型機のレンタルをお考えの方はこちら(1週間無料お試し)
会社の業績によって定額法と定率法を選択しましょう
会社として定額法と定率法、2つある計算方法を選択することができます。
※ちなみに法人ではなく個人事業主の場合は(事前の申請をしていなければ)定額法のみの選択になります
設立後、すぐに大きな利益が上がる見込みがある場合を除き、定額法を用いるようにしましょう。
なぜなら設立後、利益が出ていないのに定率法で算出すると赤字計上になる可能性があるためです。
実際に赤字計上になると銀行や株主からマイナス評価になってしまうので定額法で減価償却する方がおすすめです。
また、一度計算方法を選択したら変更できないかというと、実は申請を行えば変更ができます。
いずれにしても計算方法をどちらにするか悩んでいる方で、初年度から大幅な利益が出て節税対策を行う必要があるといった理由でもなければ、まずは定額法からスタートするのがベターでしょう。
まとめ
今回はコピー機の法定耐用年数と減価償却について解説させていただきましたが参考になりましたでしょうか?
コピー機(複合機)などのOA機器は資産扱いとなり、減価償却の計上を行わなければなりません。
ただし、減価償却が必要な条件があります。
それはコピー機の所有者である事(購入した)。10万円以上のコピー機を購入した場合になります。
また、減価償却の計算で使用する『法定耐用年数』というものがあることを覚えておきましょう。
コピー機(複合機)の法定耐用年数は5年です。
5年間かけて減価償却していきます。
当然ながら法定耐用年数を過ぎてもコピー機(複合機)は利用する事は可能です。
ただしコピー機の場合は部品供給が終了する事もあるので予め把握しておきましょう。
黒字計上できるよう、これらの計算を正しく行いましょう。
■お安い大型レンタルをお考えの方はこちら(業界でもびっくりな価格表)
■リースをお考えの方はこちら(メーカーに我々が直接値引き交渉ができるので安い)
■小型機のレンタルをお考えの方はこちら(1週間無料お試し)