コピー機の環境ラベル・グリーン購入法とは?コピー機とSDGsの関係を解説します!

近年、SDGsやペーパーレス化が進み、シャープや、キャノン、京セラ、富士フィルムなどのコピー機メーカーではサステナビリティを意識した事業展開が行われています。

これらの企業が提供するコピー機は、環境を考慮した様々な試行錯誤の結果が反映された製品です。

その証として、環境ラベルという指標が用いられています。

本記事では、環境面での基準が設けられているグリーン購入法と環境ラベル2つの観点から解説していきます。

 

SDGsとは何?

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で「持続可能な開発目標」という意味になります。

SDGsは2015年9月に国連にて採択され、全193カ国によって2016年から2030年の15年間で達成する世界共通の目標として採択されました。

すべての国や地域、企業、個人が共通して取り組むべき課題を掲げ、「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」を理念としています。

また、SDGsには17種類の目標が掲げられています。

①貧困をなくそう

②飢餓をゼロに

③すべての人に健康と福祉を

④質の高い教育をみんなに

⑤ジェンダー平等を実現しよう

⑥安全な水とトイレを世界中に

⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに

⑧働きがいも経済成長も

⑨産業と技術革新の基盤をつくろう

⑩人や国の不平等をなくそう

⑪住み続けられるまちづくりを

⑫つくる責任つかう責任

⑬気候変動に具体的な対策を

⑭海の豊かさを守ろう

⑮陸の豊かさも守ろう

⑯平和と公正をすべての人に

⑰パートナーシップで目標を達成しよう

上記の17個の目標を達成するために具体的なターゲットが169個の指標が掲げられています。

SDGsは、2030年までの15年間で全17種類の目標を達成することを目指して、世界各国が協力して取り組んでいます。

この取り組みにより、2030年以降も持続可能な社会を維持し続けることを目指しています。

SDGsについて日本ユニセフ協会のホームページでも詳細が記載されております。

⇛日本ユニセフ協会:SDGsってなんだろう?

 

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コピー機のグリーン購入法とは?

現代の日本では大量生産・大量消費・大量廃棄を繰り返しています。

その結果、社会は豊かになりましたが、地球環境への影響が問題視されるようになりました。

この背景から、「グリーン購入法」という法律が制定され、環境負荷の少ない製品の購入と活用が求められています。

グリーン購入法は国がリードして環境に負荷をかけにくい製品を積極的に導入する取り組みです。

エコに関する情報提供や発信を行うことで、地方や法人だけでなく消費者にまでエコ活動を促すための法律となっています。

また、エコマークはグリーン購入法に基づく多角的な基準に従って策定されており、エコマーク認定商品は基本的にグリーン購入法に適合されています。

各国および関連機関は、この基準に適合するコピー機の調達目標を設定し、実績をまとめて公表する義務があります。

コピー機のグリーン購入法にはいくつかの基準が設けられています。

以下の7点が購入法の基準になりますので、是非参考にしてみて下さい。

 

1.使用済カートリッジの回収システムがあること。

2.回収部品の再使用・マテリアルリサイクル率が下記の基準を満たすこと。

ア. トナーカートリッジ:50%以上

イ. インクカートリッジ:25%以上

3.回収部品の再資源化率が95%以上であること。

4.回収部品のうち、再利用できない部分は減量化等した上で適正処理され、単純埋立されないこと。

5.トナー又はインクの化学安全性が確認されていること。

6.特定調達物品の使用が可能であること。

7.感光体は、カドミウム、鉛、水銀、セレン及びその化合物を含まないこと(トナーのみ)

 

 

グリーン購入法のメリット

グリーン購入法の正式名称は「環境物品等の調達の推進に関する法律」になります。

環境負荷を低減するために、国や地方自治体、事業者などが環境に配慮した製品やサービスを優先的に購入することを推奨する法律です。

以下に、グリーン購入法のメリットを解説します。

 

環境負荷の削減

エコマーク認定のコピー機を購入することでエネルギー消費量や有害物質の排出が抑えられ、地球環境に優しいオフィス作りが可能になります。

 

コスト削減

多くのエコマーク認定コピー機は、エネルギー効率が高く、運用コストが通常より安く済みます。

長期的には、電気代やメンテナンス費用の削減にもつながります。

⇛業務用コピー機(複合機)の消費電力や電気代はどれくらい?節電方法もご紹介!

 

企業の社会的責任(CSR)の向上

エコマーク認定のコピー機を購入することは、企業の社会的責任(CSR)を果たす一環として評価されます。

環境に配慮した経営を実践することで、企業イメージの向上やブランド価値の向上を図れます。

 

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コピー機の環境ラベルとは?

環境ラベルとは、製品やサービスが環境に優しい基準を満たしていることを示す認証マークになります。

製品の製造から廃棄までのサイクル全体における環境影響を評価し、一定の基準をクリアした製品に対して付与されます。

現在では、地方公共団体が認定するマークや、海外で導入している環境ラベル制度なども含めると、世界中で100を超える種類があります。

それでは、コピー機に着けられている環境ラベルについて詳しく見ていきましょう。

また、大手コピー機メーカーは日本だけではなく世界中で販売していますので、海外の環境ラベルも併せていくつかご紹介します。

⇛コピー機(複合機)の環境性能とは?人と地球にやさしい複合機

 

①エコマーク

エコマークは、製品の生産から廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷が低く、環境保護に貢献すると認められた商品に付与されるラベルです。

この制度は「自主的で多様な基準に基づいた、第三者の機関によってラベルの使用が認められる制度」とされています。

エコマークは日本で唯一のタイプI環境ラベルです。

 

②エコリーフ

製品の全ライフサイクルにわたって、環境情報を定量的に開示している商品に付与される日本生まれの環境ラベルです。

 

③グリーン購入法

国が定めた基準を満たしている環境に優しい商品に付与されるラベルです。

 

④国際エネルギースタープログラム

OA機器の国際的な省電力化プログラムで、一定の基準を満たした製品のみ「国際エネルギースターロゴ」の使用が認められます。

「国際エネルギースタープログラム」は、日米両政府合意のもと、1995 年10 月から実施されています。

現在では、日本に加えスイス、カナダ、台湾も参加し、取り組みは世界各国・地域に広がっています。

 

⑤カーボン・オフセット認証ラベル

カーボン・オフセット制度では、各カーボン・オフセットの取り組みが環境省の第三者認証基準に基づいて認証された場合に与えられる環境ラベルです。

 

⑥Blue Angel

ドイツで導入された世界初の環境ラベルとなっており、環境に配慮した製品やサービスに対して厳しい基準を設定し、それをクリアできた製品に与えられる信頼性の高いラベルです。

 

⑦EPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)

アメリカの独立法人グリーン・エレクトロニクス・カウンシルが認証・運営を行っています。

環境に配慮した製品の開発・販売促進を目的に評価された環境ラベルです。

 

⑧EcoLogo Program

カナダ政府によって設立された高水準の環境ラベルです。

環境に配慮された製品か第三者機関による厳格な審査を経て取得できる環境ラベルです。

 

⑨中国環境表示計画

中環連合(北京)環境認証センター有限公司(CEC)が国の政策として導入し、環境に配慮された製品か国家環境保護総局環境認証センターによる厳格な審査を得て取得できる環境ラベルです。

 

⑩Thai Green Label(タイグリーンラベル)

タイ持続可能な発展ビジネス協議会のプロジェクトとして導入された制度となっており、原材料の採取、または天然資源の産出から最終処分に至るプロセスにおける環境負荷を評価された環境ラベルです。

 

メーカー別環境への取り組み

各メーカーがどのような環境への取り組みを行っているのか確認してみましょう。

 

京セラが行う環境への取り組み

京セラグループは、「敬天愛人」を社訓とし、「社会との共生」「世界との共生」「自然との共生」を基本に、エコロジーとエコノミーの両立を目指す環境経営に取り組んでいます。

工場の排水は放流先河川よりもきれいな状態まで浄化するなど、最新技術で無害化処理を行い、1991年に「京セラ環境憲章」を制定。

2015年にはSDGsやパリ協定を踏まえ、「京セラグループ環境安全方針」を制定しました。

また、毎年6月を「京セラグループ 環境月間」とし、従業員の環境意識向上を図り、省エネルギー・省資源、環境NGOとの連携による清掃活動や森林保全、デジタル教材を用いた啓発活動を行っています。

 

シャープが行う環境への取り組み

シャープは1998年度から「グリーンプロダクト(GP)」の開発・設計指針をまとめた「GPガイドライン」を全製品設計部門で運用しています。

GPガイドラインに基づいた「GP基準書」に沿って具体的な目標を設定し、試作・量産段階でその達成度を評価しています。

さらに、環境に配慮した製品開発に携わる従業員の声や苦労話を紹介するWebサイト「ココにもエコ」を開設し、製品の魅力を環境面からアピールすることで付加価値を向上させています。

また、製品のライフサイクルにおける環境負荷をCO2排出量に換算して定量的に把握するライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、環境負荷の低減に努めています。

特に、使用時の環境負荷が大きい家電製品やオフィス機器においては、省エネ性能の向上に注力しています。

 

リコーが行う環境への取り組み

リコーは、「資源の枯渇」「海洋プラスチックごみ問題」などの社会課題に対応するため、2030年までにプラスチック回収材使用率を50%以上にする目標を掲げ、再生プラスチックの活用を推進しています。

例えば、RICOH IM C7010製品群では、製品本体の総樹脂量の約50%に再生プラスチックを使用しています。

また、トナーボトルには市販回収材を利用した再生プラスチックを使用しており、再生プラスチック使用率は重量比で約62%になります。

使用後のトナーボトルは回収・洗浄して再利用し、防湿袋やデカルシールをなくすことでプラスチック使用量を削減しています。

これにより、年間779トンのバージンプラスチック削減が見込まれています。

さらに、リコーは1997年から市場から回収した製品を再生機として提供しています。

再生機は回収した製品を分解し、診断・清掃・洗浄を経てリユース部品と新品部品を組み合わせ、新品と同じ品質基準で検査した製品を販売しています。

このようにして、資源の有効利用を最大限に実現しています。

 

富士フィルムが行う環境への取り組み

富士フィルムは、環境負荷の低減と業務品質の向上を両立する技術を追求しています。

複合機やプリンターなどにエコ技術を導入し、使用済み商品のリユースを推進しています。

また、回収した部品を所定基準でリユースし、品質と信頼性を保証しています。

1990年代からトナーカートリッジやトナー回収ボトルの回収・リユースを進め、累計36ktの新規資源投入を抑制。

主力商品のリユース部品使用率はトナーカートリッジで約45%、トナー回収ボトルで約55%を達成しています。

さらに、摩耗しづらいロングライフドラムを開発し、リモート管理サービスを通じて適切なドラム交換を実現しています。

 

キャノンが行う環境への取り組み

キャノンは、オフィス向けコピー機のライフサイクル全体(原材料・部品の調達、製造、流通、消費・使用・維持管理、廃棄、リサイクル)で発生するCO2を削減するために、さまざまな工夫を行っています。

例えば、省エネルギー技術の導入や、効率的な製造工程の採用が行われています。

しかし、どうしても削減しきれないCO2については、オフセットクレジットを購入することで相殺し、複合機のライフサイクル全体の環境負荷CO2を実質ゼロにしています。

さらに、キヤノンは購入したオフセットクレジットの一部を、お客さまが複合機を使用する際に排出されるCO2相当分として無償で提供しています。

この取り組みにより、お客さまはキヤノンから提供されたクレジットを自社のCO2削減量として国へ報告することで、CSR報告書や企業ホームページで環境への取り組みをアピールすることができます。

 

まとめ

近年、SDGsやペーパーレス化の進展に伴い、シャープ、キャノン、京セラ、富士フィルムなどの大手コピー機メーカーは、環境問題や社会問題の解決に向けた事業展開を進めています。

これらの企業が提供するコピー機は、さまざまな環境配慮の試行錯誤の結果が反映された製品であり、グリーン購入法や環境ラベルを通じてその環境性能が評価されています。

グリーン購入法は、環境に優しい製品の購入と使用を促進する法律で、コピー機においても使用済カートリッジの回収システムや再資源化率などの厳しい基準が設定されています。

また、環境ラベルは製品が環境に優しい基準を満たしていることを示す認証であり、国内外で多様な種類が存在します。

各メーカーはこれらのラベルを取得するために、製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減する取り組みを実施しており、これにより企業のブランド価値の向上にも繋がり、持続可能な社会の実現に向けた一歩となっています。

 

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