オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いはなに?特徴やメリット・デメリットを解説します!

印刷会社など高画質な印刷には「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」が存在します。

実際に2つにはどんな違いがあるのかわかる方は少ないかと思います。

本記事ではオフセット印刷とオンデマンド印刷の違いや、メリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

 

そもそもコピー機とは?

一般的なコピー機とは、ガラス面(スキャナー)に原稿をセットして、原稿と同じ内容の印刷物が出力される機能を持っている機器のことを指します。

つまり、原稿を画像として認識し、複写する事務機器をコピー機といいます。

定義上は違いがあるコピー機と複合機についてですが、実は一般的な区別はあいまいです。

複合機に「コピー機」という名称が用いられる事も多く、現在は純粋なコピー機は流通が少ないため、「コピー機=複合機」と考えている方が多いのも事実です。

また、最近のコピー機(複合機)は、複写するだけの機器ではなく、FAX、プリンター、SCANといった機能も備わっています。

 

オフセット印刷とは?

オフセット印刷は平らな「版」を使う平版印刷になります。

この印刷手法は約100年前からある歴史的印刷手法となっています。

1900年代のアメリカ合衆国にて紙に使えるオフセット印刷機が開発されました。

少し遅れた時期に日本でも海外の機械を参考にオフセット印刷機が開発されました。

約100年間の時間を経てオフセット印刷の利便性や再現性の高さを追求した印刷機の開発に成功することができました。

オフセット印刷は主にデザイン会社や新聞社などで多く使われており、大量部数の印刷物や高品質な印刷が求められる場面で使用されます。

オフセット印刷は、大部数でコストを抑えたい場合や、高品質な仕上がりを求める印刷に最適です。

 

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オフセット印刷の仕組み

オフセット印刷の仕組みは、主に版面の湿潤とインキングの工程によって印刷されています。

この印刷方法は、画像部分と非画像部分が同一面上に存在し、平版印刷の一種です。

主に以下の5つのステップで印刷されます。

 

1.プレート(版)の準備

オフセット印刷では、まず、印刷したい画像や原稿を反転させて、プレート版に転写します。

このプレート版は、水をはじく油性のインクを受け付ける画像領域と、水を吸収する非画像領域に特殊な処理が施されています。

 

2.湿潤とインキング

湿潤系: 印刷開始前に、プレート版には水または湿潤剤が均一に塗布されます。

塗布されるプレート版は非画像領域となっています。

次に、油性のインクがプレートに塗布されます。

水が存在する非画像領域はインクを拒否し、乾燥した画像領域にのみインクが付着します。

 

3.インクの転写

オフセット印刷の名前の由来となっているのは、このステップでのインクの間接的な転写プロセスになります。

インクが付着したプレートから直接紙に印刷するのではなく、まずゴム製のブランケットローラーにインクを転写します。

その後、ブランケットローラーが紙に圧をかけることで、インクが紙上に転写されます。

 

4.乾燥

紙に転写されたインクは乾燥過程を経て定着します。

オフセット印刷で使用されるインクは、紙に浸透することで乾燥するタイプと、紫外線(UV)光で硬化するUVインクなど、さまざまな種類があります。

 

5.仕上げ

印刷物は乾燥後、必要に応じて切断、折りたたみ、製本などの仕上げ処理を経て最終製品となります。

ゴム製のブランケットが不均一な紙面にも柔軟に適応するため、細かいディテールや滑らかな階調の再現が可能です。

オフセット印刷はパンフレットやチラシなどによく使われています。

2種類ともカラーイラストが多く使われており、高品質で細部にこだわりが表現できるため、商業用のパンフレットやチラシに向いています。

また、オフセット印刷機には「枚葉印刷機」と「輪転印刷機」が存在します。

枚葉印刷機は一枚ずつ印刷するため、用紙サイズや厚みが変更されても変わらず印刷することができます。

輪転印刷機はロール紙を使用して連続的に印刷されます。

 

オンデマンド印刷とは?

オンデマンド印刷とは、高速デジタル印刷機による印刷方法のことです。

オンデマンド印刷は主に一般企業などで使われており、必要なときに必要な量だけ印刷することができる印刷方式の一つです。

デジタル印刷とも呼ばれ、印刷プレート(版)を使用しないため、短時間で印刷が可能で、少量の印刷や個別対応が最適です。

大手メーカー(Canon,Kyocera,Sharp)の業務用コピー機はオンデマンド印刷となっております。

オンデマンド印刷の特徴としては少量印刷に適しています。

必要な分だけ印刷が可能なため、一部からでも対応可能することができます。

また、用紙やサイズの変更が簡単に行えるのもオンデマンド印刷の特徴です。

 

オンデマンド印刷の仕組み

オンデマンド印刷は、主にレーザープリンターやインクジェットプリンターをベースとしたデジタル印刷機で行われます。

デジタルデータを直接印刷機に送り、そのまま用紙に印刷します。

下記項目がオンデマンド印刷が主に使われる印刷物になります。

・名刺、はがき、DM(ダイレクトメール)

・チラシ、パンフレットの少量制作ポスター、

・フライヤー自費出版の書籍や小冊子ラベル

・ステッカーカスタマイズされた商品(例: フォトブック)

 

1.帯電

そもそも帯電とは、摩擦などによってこすれあっている物体の一方に電子が移動することで電気的な性質が起こることを言います。

コピー機(複合機)には感光ドラムという蛍光灯のような部品がついています。

印刷をしようとすると、感光ドラムに静電気を与え全体的に帯電させます。

 

2.感光

感光ドラム全体に静電気を帯電させた状態で、スキャナーで読み取った原稿の情報通りにレーザーの光を当てます。

イメージとしては感光ドラムにレーザーで絵を描くイメージです。

そうすることにより、レーザーが当たった部分だけ静電気が消える状態になります。

感光ドラムが汚れや傷がついてると印刷面に白抜けが起こります。

 

3.現像

現像という部品は感光ドラムと隣り合わせに設置されている場合がほとんどです。

現像では、磁石が埋め込まれた金属ローラーにトナー(粉末)を載せ、感光ドラムに近づけます。

近づけることにより、電気が反発しあい、静電気が消えた部分にのみトナー(粉末)が付着します。

現像が壊れていると、印刷面に滲んだシミのようなものが写ります。

 

4.転写

そして、原稿に印刷する工程に入ります。

この工程では転写ベルトという、原稿を運搬+色載せを行う部品です。

現像によって、情報通りにトナーがついた感光ドラムを転写ベルト上の原稿に密着させて絵柄を載せます。

転写ベルトが汚れていると、原稿の裏面に汚れが出たりします。

 

5.定着

最後は定着になります。

定着という部品では高熱で絵柄を定着される部品です。

転写によって絵柄がついた原稿にヒーターで熱くなったローラーで圧力をかけることにより、原稿についたトナーが焼き付きます。

 

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オフセット印刷のメリット・デメリット

こちらではオフセット印刷のメリットとデメリットをお伝え致します。

オフセット印刷は、大量印刷や高品質な仕上がりが求められるプロジェクト(雑誌、書籍、パンフレットなど)に最適です。

下記URLからオフセット印刷機のサイズ感や性能をご覧頂けます。

是非参考にしてみて下さい。

⇛オフセット印刷機|プレス|小森コーポレーション

 

大量印刷時のコストダウン

オフセット印刷は大量印刷をする場合に印刷コストが通常時より低くなるというメリットがあります。

版を作成するときはコストがかかりますが、一度版を作ってしまえば同じものであれば何度でも印刷が可能となっています。

オフセット印刷をする場合はあらかじめ何枚印刷するかを計算するとよいでしょう。

 

大きいサイズの印刷可能+印刷スピード

オフセット印刷は版を使用するため、物理的にも大きな機械となってしまいます。

しかし最大でA0サイズの用紙を印刷できる機械も存在します。

また、チラシやパンフレットなど内容が違うものを一度に同じ用紙に印刷する「付け合わせ印刷」と言う方法もあります。

また、輪転印刷機の場合はロール紙を使用するため、短時間で大量印刷をすることも可能です。

 

色の再現性の高さ

オフセット印刷は色の再現性にも評判があります。

印刷工程の中でインキがしっかり原稿に付着し定着するため、高品質で再現性の高い印刷が可能となっています。

また、通常の印刷ではY.M,C,K(イエロー・マゼンタ・シアン・ブラック)の4色構成となっています。

ただ、オフセット印刷機では4色構成では再現できない色(金や銀、蛍光色、透明)が通常印刷にプラスの機能として存在します。

⇛コピー機で印刷した時の色味の違い!RGBとCMYKの違いについて

 

版コストがかかる

オフセット印刷では先に説明した通り版が必要となってしまいます。

通常の印刷では必要のない版を作るのにも結構なコストがかかってしまうのがデメリットです。

 

少数印刷には向かない

オフセット印刷は版を使用するため、少しでもデザインが変わった場合は、再度版を作らなければいけません。

したがって、大量印刷には向いてても少数印刷には向かない機械となっております。

 

CO2排出量が多い

オフセット印刷は、版を制作する際や印刷工程において大量のCO2が出てしまいます。

2009年に日本印刷技術協会(JAGAT)の調査で、デジタル印刷と比較してオフセット印刷は、環境優位性が低いことが挙げられました。

その理由として、オフセット印刷で必要な製版工程でCO2が多く排出されている点があげられています。

 

オンデマンド印刷のメリット・デメリット

こちらではオンデマンド印刷のメリットとデメリットについて解説をしていきます。

オンデマンド印刷は、少量・短納期・カスタマイズ性が重要な場面で非常に有効です。

オフセット印刷とは用途が異なりますので違いを理解してご自身にあった印刷方式のコピー機を導入しましょう。

 

少数印刷でも印刷コストが安い

オフセット印刷では、印刷作業を始める前に版を準備し、それをプリンターに設定しなければなりません。

しかし、オンデマンド印刷はレーザープリント方式を採用しています。

少量の印刷に関してはコストが比較的低く抑えられるため、低コストにて印刷物を作成することが可能です。

⇛印刷コストとは何か?すぐに活用できる印刷コスト削減アイディア5つを紹介

 

完成時間が速い

オンデマンド印刷はオフセット印刷とは違い版を制作する時間もなければ、版を設定する必要もありません。

必然的にデザインができて印刷が終わるまでの完成時間が速くなるメリットがあります。

 

大量印刷には向かない

オンデマンド印刷では少数の印刷には向いていますが、逆に大量印刷となるとコストが高くなってしまいます。

一般的に冊子印刷は「少部数はオンデマンド」「大量部数はオフセット」と使い分けます。

目安としては、おおむね200部を超えたらオフセットの方がお得になります。

 

仕上がりが劣る

オンデマンド印刷は黒ベタ印刷ではないため、オフセット印刷と比べて印刷品質が劣ってしまいます。

解像度が低い画像であれば違いはあまりわかりませんが、解像度が高いものになると仕上がりに差が出てしまいます。

 

まとめ

オフセット印刷とオンデマンド印刷は、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、使用するシチュエーションに応じて選択することが重要です。

オフセット印刷は、版を用いる伝統的な印刷方法であり、大量印刷に適しており、印刷コストを低く抑えられるメリットもあります。

また、色の再現性が高く、大きなサイズの印刷が可能で、付け合わせ印刷など柔軟な対応が可能です。

一方で、版作成にはコストと時間がかかり、少量印刷には不向きで、環境負荷も大きい側面があります。

オンデマンド印刷はデジタル技術を利用した印刷方法で、少量印刷でもコストを抑えられるのが大きなメリットです。

短納期での対応が可能で、カスタマイズや修正が容易に行えるため、柔軟なニーズに応えられます。

しかし、大量印刷には向かず、オフセット印刷に比べると印刷品質が劣る場合があります。

どちらの印刷方法も一長一短がありますので、印刷物の用途、数量、品質、納期、予算などを総合的に考慮し、最適な印刷方法を選択することが重要です。

 

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