コピー機(複合機)の歴史を知ろう?コピー機の起源から未来のコピー機まで解説
現代の業務上で欠かせないコピー機(複合機)ですが、実は250年前から存在していました。
思ったよりも古くら存在していることを知って驚いている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コピー機(複合機)の歴史を現代まで徹底的に解説します。
また、現代まで進化されたコピー機(複合機)の機能なども紹介していきます。
これからコピー機(複合機)の導入を検討している方は少しでも参考にしていただければ幸いです。
それではいってみましょー!!
そもそもコピー機とは何?
一般的なコピー機とは、ガラス面(スキャナー)に原稿をセットして、原稿と同じ内容の印刷物が出力される機能を持っている機器の事を指します。
つまり、原稿を画像として認識し、複写する事務機器をコピー機といいます。
定義上は違いがあるコピー機と複合機についてですが、実は一般的な区別はあいまいです。
複合機に「コピー機」という名称が用いられる事も多く、現在は純粋なコピー機は流通が少ないため、「コピー機=複合機」と考えている方が多いのも事実です。
現在のコピー機はコピー機能のみではなく、スキャン機能やFAX機能などの複合機能が搭載されいるのが当たり前となってきました。
なので『コピー機=複合機』と考えてしまうのも理解できます。
下記の記事では複合機とプリンターに関して解説させていただいておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
⇒コピー機の複合機とプリンターの違とは?それぞれのメリットとデメリットを解説
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コピー機の歴史
続いてはコピー機の歴史について解説させていただきます。
冒頭でお伝えした通り、コピー機は250年前から存在しています。
今のコピー機(複合機)のように電気を使って高性能な複写技術ではありませんでした。
しかし、昔の人たちの知恵を生かした複写技術が開発されていました。
コピー機の歴史を解説するにあたり、大きく3つに分けて解説していきます。
・コピー機のはじまり(起源) (1779年)
・ジアゾ式複写機 (1951年~)
・PPC複写機 (1959年~)
コピー機のはじまり(起源)
最初のコピー機が発明されたのは、1779年です。
蒸気機関車を発明した「ジェームズ・ワット」が発明しています。
当然、現代のコピー機(複合機)のような電気を使ったものではなく、原理はシンプルに薄い紙とインクを使っての複写技術になります。
薄い紙の裏面にまでインクを染み込ませ、別の薄い紙を重ねて押すことで、文字がコピーされていました。
一方、1779年頃の日本では江戸時代に杉田玄白・中川淳庵が解体新書を刊行されていました。
比べてみると複写技術には結構な差がありますね。
⇒いったい誰が作った!?コピー機(複合機)の発明者を時代とともに解説
ジアゾ式複写機
1951年には「ジアゾ式複写機」がドイツにて開発されました。
ジアゾ式複写機とは、ジアゾ化合物(窒素化合物)を用いた複写技術で、紫外線照射により感光させます。
つまり、化学反応を利用した複写技術になります。
当時は、青い紙を使うことが多かったため、「青焼き」とも呼ばれていました。
ジアゾ式には湿式・乾式・熱式と複数のタイプがありますが、一般的だったのは現像液が塗られた紙を使う湿式です。
メリットとしては、大判用紙の印刷ができる為、設計図面などに適しています。
デメリットとしては、湿式なので原稿を濡らしてしまうリスクがあったり、観光紙の保管が難しかったり、両面刷りの複写ができないなどが挙げられます。
ジアゾ式複写機は現在のコピー機製造メーカーでも生産されており、設計図面用など大判の印刷にて活躍しています。
1951年の技術が今のコピー機(複合機)に継承されているのはとても素晴らしいですね。
PPC複写機
現在のコピー機(複合機)のほとんどが実はこのPPC複写機と呼ばれるものになります。
1938年、アメリカの「チェスター・カールソン」は、光を使わず電気だけで画像情報を記録する技術「ゼログラフィ」を発明しました。
「ゼログラフィ」と光が当たることによって変わる電気抗体「光導伝体」の技術を掛け合わせて「ゼログラフィ」と呼ばれる基本技術を1955年、アメリカのハロイド社が確率させることに成功しました。
「ゼログラフィ」の基本技術を確立させたハロイド社は後の大手コピー機メーカーの「ゼロックス」になります。
1959年、アメリカで世界初の「乾式」事務用コピー機「ゼロックス」が誕生しました。
この「乾式」技術を使用した「ゼロックス」が現在のコピー機の主流となり、オフィスで使われ続けています。
このコピー機のメリットは印刷スピードになります。デジタル式ならではの大量コピーの時間が短くて済みます。
次に、「乾式」ならではの薬品等を塗っていない原稿を利用できたり、複写物を長期保管しても劣化が少ないです。
逆にデメリットとしては、光学的な収差が出る場合があるため、精密な製図などでは少し問題があるとも言われています。
私たちの普段使っているコピー機(複合機)の技術がこんなところから来ていたんですね。
⇒富士ゼロックスは【富士フイルムビジネスイノベーション】へ。社名変更の理由とは?
ちなみにコピー機(複合機)ができる前はどのような印刷技術だったかご存知でしょうか。
日本ではコピー機が一般的ではなかった時代に、「謄写版」と呼ばれる仕組みが使用されていました。
この仕組みは、1894年に堀井新治郎によって開発されたもので、その原型は発明王エジソンが考案した「ミメオグラフ」に由来します。
謄写版の仕組みは、以下の手順に従って行われました。
・原稿にロウを塗る文字や絵を描く。
・原稿をやすりの上に置き、鉛筆や筆で文字や絵を書く。
・書かれた部分のロウが削られる。
・メッシュシートを原稿に重ねて、印刷用の紙の上に置きます。
・ローラーを使ってメッシュシートと印刷用紙を押し付け、インクを塗布します。
・ロウが削られた箇所にインクが落ち込み、文字や絵が印刷されます。
・このようにして、謄写版を用いて原稿を複製することが行われていました。
現在のコピー機はどんな仕組み?
つづいては先代たちが繋いでくれた技術を受け継いだ現代のコピー機(複合機)技術について紹介していきます。
読み取り方法としては先代からの技術「ゼログラフィ」を応用した方法で読み取っています。
最も進化した技術が読み取った後の印刷技術になります。
印刷技術を5つに分けてご紹介させていただきます。
帯電
そもそも帯電とは、摩擦などによってこすれあっている物体の一方に電子が移動することで電気的な性質が起こることを言います。
コピー機(複合機)には感光ドラムという蛍光灯のような部品がついています。
印刷をしようとすると、感光ドラムに静電気を与え全体的に帯電させます。
感光
感光ドラム全体に静電気を帯電させた状態で、スキャナーで読み取った原稿の情報通りにレーザーの光を当てます。
イメージとしては感光ドラムにレーザーで絵を描くイメージです。
そうすることにより、レーザーが当たった部分だけ静電気が消える状態になります。
感光ドラムが汚れや傷がついてると印刷面に白抜けが起こります。
現像
次は現像です。
現像という部品は感光ドラムと隣り合わせに設置されている場合がほとんどです。
現像では、磁石が埋め込まれた金属ローラーにトナー(粉末)を載せ、感光ドラムに近づけます。
近づけることにより、電気が反発しあい、静電気が消えた部分にのみトナー(粉末)が付着します。
現像が壊れていると、印刷面に滲んだシミのようなものが写ります。
転写
そして、原稿に印刷する工程に入ります。
この工程では転写ベルトという、原稿を運搬+色載せを行う部品です。
現像によって、情報通りにトナーがついた感光ドラムを転写ベルト上の原稿に密着させて絵柄を載せます。
転写ベルトが汚れていると、原稿の裏面に汚れが出たりします。
定着
最後は定着になります。
定着という部品では高熱で絵柄を定着される部品です。
転写によって絵柄がついた原稿にヒーターで熱くなったローラーで圧力をかけることにより、原稿についたトナーが焼き付きます。
以上が大きく進化した現代のコピー機(複合機)になります。
また、昔のコピー機とは違いスキャンやFAXという画期的な機能が搭載されました。
スキャンは、文書や画像をデータ化(PDF・JPEG)してくれます。
スキャナーを使用して、紙の文書や写真を光学的に読み取り、データとしてコンピューターに保存します。
このデジタル化されたデータは、電子メールで送信したり、データベースに保存したり、文書の編集や共有などさまざまな用途に利用できます。
スキャンには、色や解像度の設定を調整して、必要に応じて画像品質を変えることができます。
⇒コピー機(複合機)のスキャン機能!紙文書をPDF化して保存するメリットとデメリット
FAX(ファックス)は、電話回線を利用して文書や画像を送受信する通信手段です。
コピー機(複合機)のファックス機能を使用して、紙の文書をスキャンし、そのデータを電話回線を通じて相手のコピー機(複合機)に送信します。
受信側では、ファックス機がデータを受け取り、原稿に印刷します。ファックスは、書類を即座に送信したり受信したりする必要がある場合や、電子メールやその他のデジタル通信手段が利用できない状況で古くから便利に利用されます。
⇒誰でもわかる!複合機の電話線(FAX線)接続方法と豆知識を解説
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現在の主なコピー機メーカー紹介
コピー機(複合機)は現在では仕事をするうえで欠かせない事務機器となりました。
コピー機は日本国内のみならず海外のメーカーも含めた数多くの企業が参入しています。
日本国内でも10社以上のコピー機メーカが存在します!
現代の日本を代表するコピー機(複合機)のメーカー達を紹介させていただきます。
⇒業務用の大型コピー機市場の動向を解説!導入シェアランキングも紹介
キヤノン(Canon)
キヤノン(Canon)は、1937年に設立されました。
世界的に有名な電子機器メーカーであり、コピー機(複合機)やプリンター、デジタルカメラなどの様々な製品を提供しています。
コピー機(複合機)やプリンターの分野では、高品質な印刷技術や画像処理技術に力を入れており、プロフェッショナルな用途から個人向けの製品まで幅広いラインナップを展開しています。
リコー(RICOH)
リコー(RICOH)は1936年に設立されました。
コピー機(複合機)やプリンターなどのオフィス向け機器を提供する世界的な企業です。
高度な画像処理技術やセキュリティ機能、クラウド連携などの革新的な機能を備えた製品を提供しています。
富士フィルムビジネスイノベーション(Fuji FILM)
富士フィルムビジネスイノベーションは元は富士ゼロックス(Fuji Xerox)という名でコピー機の知名度を上げました。
その富士ゼロックスは1962年に設立されました。
富士フイルムとアメリカのゼロックスが合弁事業として設立した企業であり、コピー機(複合機)、文書管理ソリューションを提供しています。
高度な画像処理技術やクラウド連携機能が特徴です。
シャープ(SHARP)
シャープは1912年に設立されました。
家電製品やオフィス機器を提供する企業です。
コピー機(複合機)のほか、デジタルサイネージなどのディスプレイ技術にも力を入れています。
東芝テック(TOSHIBA)
東芝テックは、東芝グループの一員として、オフィス向けの機器やソリューションを提供しています。
コピー機(複合機)やプリンター、POSシステムなど、幅広い製品ラインナップを展開しています。
コピー機の未来展望
コピー機(複合機)の起源・歴史を解説させていただきました。
ペーパレス化が浸透し、印刷枚数は減った世の中ですが、今後のコピー機はどのように進化を遂げていくのでしょうか?
コピー機の未来展望に関してもみていきましょう。
近年、AI(人工知能)と自動化技術の急速な進歩により、コピー機(複合機)の未来には革新的な変化が訪れると期待されています。
現在のコピー機(複合機)もすごい技術ですが、近未来で実現可能そうなAIとコピー機(複合機)の共存についていくつかご紹介します。
AIによる画像認識技術での選別
1つ目はAIによる画像認識技術での選別です。
AIを利用した高度な画像認識技術がコピー機(複合機)に搭載されることによって、文書の自動分類や最適な設定の提案、迷惑FAXの自動仕分けなど、本来手作業で行ってた業務をAIに任せることによって重要な業務に割く時間が増え業務効率化が図れそうですね。
自動化による生産性と効率化の向上
2つ目は自動化による生産性と効率化の向上です。
自動給紙や、自動給紙トレイの容量管理など自動化機能によって、生産性と効率化の両方が向上が図れそうですね。
自己診断機能とメンテナンスの自動化
3つ目は自己診断機能とメンテナンスの自動化です。
AIはコピー機(複合機)のデータからパターンを学習し、コピー機の状態を常に監視することができます。
これにより、機器の故障を事前に予測・推測し、定期的なメンテナンスを計画することが可能になります。
結果的に、ユーザー側はコピー機(複合機)の故障回数が減ることにより、業務の効率化が図れそうですね。
セキュリティ強化
4つ目はネットワーク接続とAIを利用したセキュリティ強化です。
コピー機(複合機)がネットワークに接続され、クラウドサービスとの連携が進むことで、文書の管理や共有がより効率的に行われるようになります。
また、AIによるセキュリティ機能が組み込まれることで、機密情報の保護強化が図れそうですね。
⇒コピー機(複合機)のセキュリティ対策は大丈夫?行うべき対策4選!
まとめ
コピー機の歴史は250年以上にわたり凄まじい進化をとげてきました。
「ジェームズ・ワット」による初期の複写技術から現代の高品質な印刷ができるコピー機(複合機)まで進化してきました。
ジアゾ式複写機やPPC複写機など、さまざまな技術革新があり、現代のコピー機(複合機)の基盤になったと言えるでしょう。
また、現代のコピー機(複合機)はスキャンやFAXなどの機能を備え、我々の業務等を大きく手助けしてくれています。
さらに、AIや自動化技術の発展により、未来のコピー機は画像認識や自己診断機能などを活用し、より便利なコピー機(複合機)に進化していくといいですね。
これからも、コピー機(複合機)の進化に伴いオフィスや個人の生産性が向上し、情報の管理や共有がより効率的に行われるでしょう。
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